剣と魔法と「空気読め」

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魔術の流れの中で大切なことは、「誰かが呪われた」ということが周囲の人々に噂として伝わること。

「○○が××を呪ったらしいよ…」

こういう噂が一度流れれば、呪われた相手の不幸はすべて「呪いのせい」になる。

石で転ぼうが、病気になろうが、全て呪いのせい。そうしたものが現実にあろうがなかろうが、大事なのは「きっと呪いだ」という空気が周囲の人々に共有されることだ。

日本に伝わる「丑の刻参り」のやりかたや、「八田坊の釘」などといった呪いのやりかたというのも、方法論は同じ。「隠れてやれ」と伝えられながら、そのやりかたは「誰かにみられること」を前提にしている。

魔道書が提供する方法論というのは、そのまま地域の「空気」を操る方法論として読み解ける。

ちょっと寒気がした。世間が呪いを信じていれば、「呪われた」という空気が呪いを作り出す。もし不幸が何も起きなくても、「呪われた」という空気がじわじわとその人を衰弱させていく。